社長さんのための労働基準法基礎講座

 第8回 応用編その2
表現上のご注意 当ページ内では、使用者(個人商店を含めて)を社長さん 
またその事業所を会社 労働者を社員さんという言い方をしております。

 え〜〜ちょっとサボってしまったきらいのある 基礎講座 今回は、「労働契約締結時の労働内容と退職時の注意点」についてお勉強しようと思います。 

 先日 友人から 「バイト雇いたいけど注意点は、」と尋ねられ 「第2回で書いた事+これ書くこと」を教えてあげました。 秋から某講座の講師をするのでその契約に行ったのですが・・・何故でしょう 人を雇い入れるときは、真剣に退職時を視野に入れて契約するように 口をすっぱくして言うのに 自分が 採用されて社員さんになる場合 賃金と働く場所と時間その他 就業上の注意点を2〜3聞くだけで 労働契約を結んでしまいました。 これくらい 社長さん側と社員さん側に労働契約についての意識のずれがあることを 社長さんは、心の片隅に留め置いてほしいのです。 
 さて 今日も基礎講座 頑張って勉強にかかりましょう!   えっ お前は、講座より高座のほうが似合っているって…(ーー;)うっ!当たってる…

 社員さん(パートさん・アルバイトさんも含めて)雇入れるときは、労働契約書を作成しましょうと 第2回目で書きました。書くべき内容も リンクを貼っていますのでそちらをご覧下さい。

さて 今回は、社員さんの退職を見越しての労働契約について考えてみましょう。

 その前に 社員さんの雇い入れ形態の区分って知ってます?
 正社員さん=基本的に終身雇用です。 これに対して パートさん、アルバイトさん、契約社員さん、嘱託社員さんと呼ばれる方は、期間契約によって働いてもらう 有期雇用なのです。
この点をぐちゃぐちゃにして考える社長さんが多いので そこからトラブルが発生しやすくなります。


社長さんからは、30日前
正社員さんの労働契約の解約

 
正社員さんの場合、民法(627条)では、 「いつでも労働契約を解約することが出来る。」となっています。辞めると言ってから2週間に労働契約は、解約できます。でも社長さん側からは、30日以上前に解雇予告か平均賃金の30日を支払う必要があります。(労働基準法20条)


社員さんから
は、2週間前


社長さんからは、30日前+
期間の縛り
有期契約社員さんの労働契約の解約

 
社長さん側からは、解雇予告等は、正社員さんと同じなのですが、原則として期間を定めた場合 やむを得ない理由がない限り解約することが できません。 もし一方に過失があれば 相手に対して損害賠償を請求することができます。

 後…雇止め予告が必要になり場合もあります。


社員さんは、
期間の縛り

解雇であれば さらに次の条件も必要です。
★ 客観的な理由があり、社会通念上相当と認められものが必要になります。
 一番 揉めやすいのは、期間雇用の場合の更新時や雇止めのときです。これを含んで社員さんの面接を行わないといけません。

● 期間満了後の契約更新の、有無…>あるなら そのときは、どんな条件、方法で行うか説明して また実際にもそのルールに従って行う必要があります。

 例えば 「更新は、半年ごとに行い最長で3回まで4回目の更新は、ない」だと 2年の有期雇用と同じ効力を持つことになります。さらに 「更新については、勤務態度評価等の基準により一定の水準以上にある者について 労働者に異議がない場合契約を更新する」としたら  評価基準をあらかじめ作っておく必要がありますが不良社員をふるいにかけることができます。

 雇入れから1年以上継続して勤務している社員さんに対して 雇止するときは、30日以上前に 更新しない旨予告をする必要があったり 社員さんの希望に応じて契約期間を出来るだけ長くするべく努力する通達があります。

 有期雇用の期間満了しても 社長さんが異議を述べないでそのまま雇用を継続すると 黙示の更新したことになります。 つまりちゃんと更新時の手続を踏んでいないと 以後は、期間の定めのないない契約になっちゃうよということです。(民法629条)その点を知らなくて 契約を更新しないと社長さんがいきなり言い出して揉めるってよくあることなんです。気をつけましょうね。。。



社労士の
佐々木です。
まとめ(^^)

雇入れなのに 雇止めとか解雇とかの 退職についてお話を書いていますが 一番最初に書いたでしょ…
社労士ですから 仕事上 雇い入れの時は、色々言ってしまうけど 反面 自分が社員さんになる時って そう難しく考えていないのです・・・ そして 実際 働いてみると条件が違っていたとか もっと長く雇ってもらえるとか思っていた。ということになって 最後には、あっせんや裁判へ 紛争の場が移っていきます。

社長さんも 「これ位で良いやろ」と考えていたら どうでしょう 穴があればそこを必ず突っ込まれます。だからこそ 契約の終了を視野に入れて 雇い入れることをお勉強したわけです。 

今回のお話どうでした お役に立てましたか?100点満点の何点ぐらいだったでしょうか
さて次回は、何をお話しようかな… またネタ探ししておきます。次回は、5月の中ごろUPの予定です。

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