健康保険・高額療養費

原則的な高額療養費(70歳未満)・70歳以上の高額療養費世帯合算計算例特定疾病の人の高額療養費
多数回該当(この1年間に既に3回以上高額療養費の支給を受けた人)

知っているとお得!

健康保険では、被保険者または被扶養者が保険診療を受けたときに療養に要した費用の額の一部について自己負担する事になっていますが長期の療養や入院などの場合 一部負担金等の額(一部負担金・自己負担額・基本利用料を含みます。⇔標準負担額および差額ベッドなどの自己負担に係る部分を除きます)が高額になり被保険者の家計に大きな負担をかけることになりますそこで保健医療機関等に支払った自己負担額が各月の1日から末日までの期間に 一定額を超えた場合その超えた部分が請求により払い戻されます。この払い戻される部分を高額療養費といいます。
<健康保険(被保険者・被扶養者・世帯合算)高額療養費支給申請書>
 自己負担額を支払って高額療養費の支給を受けるまでの間数ヶ月を要しますその間 経済的負担を軽減できるように 高額療養費支給見込み額の80%相当まで借りられる 無利子の貸付制度があります(政府管掌健康保険・船員保険)。
<協会けんぽ 高額療養費貸付金貸付申込書>

高額療養費が適用された月から1年以内の期間に3回以上高額療養費が支給がされていたら高額療養費の支給基準が下がります


(1)原則的な高額療養費(70歳未満)
 被保険者・被扶養者がそれぞれ同一の月(暦月)において同一の病院等に療養を受けた際に支払った一部負担金等の額(食事療養=標準負担額を除きます)が自己負担額が21,000円以上のものを合算高額療養費算定基準額を超えた場合、その合算した金額から高額療養費算定基準額を控除した額を高額療養費として支給されます。このとき医科と歯科、入院と外来は、分けてそれぞれ計算する必要があります。
高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
 一般の場合を例にとって言うと 一部負担金等の額を合算した額が80,100円を超えると高額療養費が支給されことになります。
一般  80,100円+(療養に要した費用の額−267,000円)×1%
上位所得者標準報酬月額56万円以上)  150,000円+(療養に要した費用の額−500,000円)×1%
低所得者  35,400円
※低所得者:生活保護法の要保護者であって 高額療養費の支給があれば保護を必要としなくなる方 または 住民税非課税の方療養に要した費用の額は、一部負担金等の金額を負担割合で割った金額になります。
※ 療養に要した費用の額ですが… 自己負担額×10÷負担割合(1〜3割)で計算できます。
 
計算例
一般の被保険者 療養に要した費用の額 30万円  一部負担金の額 9万円(3割負担)
9万円−{80,100円+(30万円−267,000円)×1%}=9,570円…高額療養費として支給されます。

入院の場合は、限度額適用認定証の交付を協会けんぽで受けることにより、窓口での支払いは、高額療養費算定基準額のみでよくなります。

上記例では、医療に関する窓口負担額
80,100円+(30万円−267,000円)×1%=80,430円
※ この他に、入院時食事標準負担額等の費用が必要になります。
(2)70歳の誕生月の翌月からの方の高額療養費
(1日生れの方は、誕生月から…以下70歳以上と言います。)

 被保険者・被扶養者ごとに同一の月(暦月)において同一の病院等に療養(食事療養=標準負担額を除く)を受けた際に支払った自己負担額を合算し高額療養費算定基準額を超えた場合、その合算した金額から高額療養費算定基準額を控除した額を高額療養費として支給されます。
※原則として75歳以上の方 (長寿医療の被保険者)とは、世帯合算できませんのでご注意ください。 

高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
所得区分 高額療養費算定基準額
外来 世帯合算
一般(1割負担の方) 12,000円
(24,600円)
44,444円
(62,100円)
上位所得者(2割負担の方) 44,444円 80,100円−(療養に要した費用の額−267,000円)×1%
低所得者I(標準負担額1食当り210円の方) 8,000円 24,600円
低所得者II(標準負担額1食当り100円の方) 15,000円
(注) カッコ内は、一部負担金が2割となった場合の額


(3)多数回該当
 高額療養費に該当した場合にその療養のつき以前1年間に、すでに3回以上(全て同じ保険者であることが条件で 連続する必要はなく飛び飛びであっても差し支えありません) 
高額療養費算定基準額
所得区分 高額療養費算定基準額
70歳未満 多数回該当 原則の高額療養費算定基準額
  一般 44,444円 80,100円+(療養に要した費用の額−267,000円)×1%
  上位所得者 83,400円 150,0001円+(療養に要した費用の額−500,000円)×1%
  低所得者 24,600円  35,400円
70歳以上 多数回該当 原則の高額療養費算定基準額
  一般(1割(2割)負担の方) メリットなし   
  上位所得者(3割負担の方) 44,444円 80,100円+(療養に要した費用の額−267,000円)×1%
  低所得者I メリットなし   
  低所得者II メリットなし   

(4)特定疾病高額療養費
 非常に高額な療養を長い間しかも殆ど一生ずっと続けなければならないような病気(人工透析を受ける慢性腎不全・血友病・HIV)もあります。この場合の自己負担額は、被保険者の家計に極めて大きくのしかかってきます。そのため設けられたのが特定疾病に係る高額療養費です。 同一の月に同一の医療機関で療養を受けたとき入院・通院にかかわらず一部負担金は、1万円(人工透析を受ける標準報酬月額53万円以上の被保険者とその被扶養者は、2万円)でよいことになっています。



(5)高額介護合算療養費
健康保険の療養に係る一部負担金等の額と介護保険の利用者負担額の年間の合計額が一定の限度額を超えた場合に償還される制度です。


コラム>>健康保険の給付>>高額療養費
        



 事務所案内コラムリンクお問合せ所長の私生活サイトマップ|